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小規模事務所の採用戦略(前編)

更新日:11月24日

事務所の発展に合わせて、採用すべき人材も変わってきます
事務所の発展に合わせて、採用すべき人材も変わってきます

税務会計事務所で、なぜ採用戦略が必要なのか


税務会計事務所で求人を出す際、募集の背景として2つのパターンがほとんどです。


一つは欠員募集。

もう一つは業務量増大のための募集。


この二つが全体の9割を占めています。

つまり、今いるスタッフと同じような働きをする人材に入社してほしい。

極論を言ってしまうと、税務会計事務所では、年齢やスキルの差こそあれ基本的には「均一」の人材募集が繰り返されているのです。


もちろん税務会計事務所の主体となるスタッフは、お客様の担当を持ち、決算・申告といった一連の業務や相談対応などが主な業務でしょう。

しかし組織としてみると、様々な役割を持った人材が求められています。

組織が成長すればするほど、業務内容は多様になりますし、求められる役割も変わってきます。

だからこそ税務会計事務所でも、成長の段階に応じて求める人材も変化するべきではないでしょうか。

必然的に、募集を行う、つまり採用戦略にも違いが出てきて当然なのです。


そこでまずは、最も採用のハードルが高い小規模事務所のとるべき採用戦略について考えてみたいと思います。



スタートしてからが一番苦しい


採用をお手伝いする際、一番難しいのがスタッフ数5名以下の事務所です。

当然ながら所長だけしかいない、もしくはスタッフ1~2名はさらに厳しいですね。

所長しかいない事務所では、入社するとまだ知り合って間もない所長と事務所で二人きりで長時間の作業、ということになります。


ある程度スキルに自信があり、自分の仕事の領分はしっかり割り切れるベテランスタッフでしたら、そこまで気にしないかもしれません。

ただ、そうした人材は他からの引き合いも強く、より良い環境を求めて転職活動をしています。

そのため条件面で比べた時、しっかりと法人化されていたり、ある程度規模があって福利厚生がしっかりしていたり、対応業務の幅が広くキャリアを築ける事務所に意識が向きがちです。


一方、業界経験が少なく、これからスキルを身に着けていこうという若手スタッフは、マイペースで仕事ができるほど自分に自信がありません。

委縮して実力を発揮できないことも多いですね。


人数の少ない事務所は、それだけ募集にハンデがあるのです。

ここで取るべき戦略としては二つ。

手間をかけるかお金をかけるか、です。



小規模事務所でWEB求人


お金をかける、というとまず検討すべきはWEBでの求人です。


これは常々思っていたのですが、WEBで求人を行う際、規模の大きな事務所は大きなお金をかけ、露出を高め、たくさんの情報量を掲載しています。

逆に、規模の小さな事務所は、お金がそこまでかからないスペースの小さな求人広告を出します。


しかし本来は逆なのです。

知名度が高い規模の大きな事務所は、広告スペースが小さくても応募は集まります。

しかし規模の小さな事務所は、アピール量を増やし、自分の事務所を知ってもらうことから始めないといけないのです。

つまり小さな規模の税理士事務所では、いかに自分たちの事務所の募集にアクセスしてもらうか、から考えていかなければいけません。


・時期をずらす

税理士業界は求人が盛り上がるシーズンがあります。

それが税理士試験が終わってすぐのタイミングです。

税理士試験に向け勉強に集中してきた人たちが、一段落したことで就職・転職先を求め一斉に動き出します。

中には試験に向け退職し、試験後に再び職場を探す、といったサイクルで働いている人もいます。


このタイミングでは多くの求職者が動きますが、一方で多くの求人広告が出る時期でもあります。

大手事務所も年間で採用すけすーるを組み、このタイミングで求人を行いますね。

そのため最も競争率の高まる時期でもあります。

以前のような買い手市場であれば、大手を希望していた求職者があぶれ、中規模・小規模の事務所に流れることもありました。

しかし近年の売り手市場では、その数も大きく減っています。


そのため小規模の事務所は「あえて」この時期を外す、というのも一つの手です。

競争が激しい市場を避け、競争のゆるやかな時期を見計らうのも戦略の一つです。



・掲載期間を延ばす

小規模事務所では、どうしても応募が集まりにくくなります。

そのためある程度、長期間にわたって掲載を行うことを前提に予算などを組んでおく、ということも検討したいところです。

ただ、WEBでの求人は、掲載期間が増えれば料金も上がってしまうので、なかなか難しいところではあります。


・ターゲットをずらす

ターゲットをずらす、というやり方もありますね。

小規模事務所では、教育に時間やお金をかけることができないので、どうしても即戦力を求めがちです。

ただ、そうした優秀な人材は、非常に競争が激しいです。

税理士試験科目合格者、実務経験3年以上、というような求職者には大量にオファーメール(スカウトメール)が届きます。

その中から選ばれるには、どうしても競合との差別化になる「売り」が必要となってしまいます。

ただ、小規模事務所は何かに特化するのも難しく、待遇で競争しようとしても資本力のある大規模事務所に比べて不利になります。


そこで大手事務所とはターゲットをずらすことが効果的です。

例えば、未経験・経験の浅い人、新卒・第二新卒、50代以上の人、などは会計業界では転職・就職の機会が少ない人材です。

確かに未経験や新卒で入社となると、最初は手間がかかります。

会計ソフトの使い方など、基礎から教えていかなければなりません。

ただ、小規模事務所の場合、基礎の部分さえ終われば所長に同行させるなどして中堅以上の規模の会計事務所より「濃い」教育を行うことができます。

そのためかなりのペースで、成長を見込むことができますね。


最近では、基礎的な部分についてはWEBでの映像研修などを行っているサービスもあるので、この部分でも手間も費用も軽減できます。


もっと具体的に話が聞きたい、という方はこちらよりお問い合わせください。


<手間をかける小規模事務所の採用戦略については、後日アップ予定です>



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