top of page

税理士試験後の採用戦争、勝者は“3月から動いた事務所”だけ

税理士試験が終わった科目合格者を募集するイメージのイラスト
夏の税理士試験後に採用を行うのであれば、その争奪戦はすでに始まっています

「今年こそ、税理士試験後の採用で良い人材を確保したいんだよね」


そんなふうに考えている税理士事務所は多いでしょう。

知識を持った求職者が採用市場に大量に流入するのが、税理士試験が終わった後です。簿記論や財務諸表論の科目合格の目途が立った人材が、そろそろ実務経験を積もうと就職活動を行うからです。

だからこそ、Big4を言われる世界的な大手事務所から個人の税理士事務所まで、多くの税理士事務所が、ここにターゲットを絞って採用活動を行っています。

そのため私のところにも、こんな質問が寄せられることが多いです。


「夏の採用を成功させるには、いつから準備を始めればいいんですか?」


この答えは、数年前でしたら簡単でした。

「7月に入ってから条件などを一緒に考えていきましょう」

それで十分だったのです。

しかし今や採用を取り巻く環境は大きく変化しており、そのような対応では良い人材を獲得することは非常に厳しいでしょう。


いつから準備を始めればいいか、という質問自体がナンセンスになりつつあるのです。

大手ではこの原稿を書いている3月はすでに、様々な仕込みを始めているところがあります。

それに対抗しなければいけない中小税理士事務所では、

夏前にスタートでは遅く、「早くから始めればその分有利になる」

それが現状になっているのです。


そこで今回は、そうした採用トレンドの変化と、それに対応するための中小税理士事務所がとるべき戦略について考えてみたいと思います。



1.税理士試験後の採用市場は数年前とまったく別物


まず、認識しておかなければならないことは、採用を取り巻く環境の変化です。

TaxOffic-Supportでは何度もこの話題を取り上げているので、多くの読者は認識していると思いますが、過去に例のないほどの売り手市場が続いており、業界全体として採用が難しくなっているのです。問題はその状況に対し、ある程度の人数を必ず確保しなければならない規模の大きな事務所が対応してきている、ということです。


大規模事務所と中小規模の事務所では、そもそも採用力で見ると大きな差があります。

給与、待遇、教育制度、職場環境……。

豊富な資金を動かせる大規模事務所に比べると、中小税理士事務所はどうしても不利になるのは当然です。ここにきてさらに、大規模事務所は求職者に強くアピールできるよう所内環境の整備に力を入れるようになってきました。さらにSNS戦略を活発化させており、HPでも採用に力を入れることによって、多くの求職者にリーチしているのです。


これまでは大規模事務所は、いわば「待ち」の戦略でした。

ただでさえ知名度のある大規模事務所は、放っておいても応募があるため、募集さえ出しておけばいい、というスタンスだったのです。採用環境が多少悪化しても、条件を下げることによって対応してきましたが、ここ数年で積極的な採用戦略を推し進めているのです。


そのしわ寄せが中小税理士事務所に徐々に押し寄せています。良い人材を獲得するのが非常に難しくなり、余力のある事務所はその対応のため採用戦略を変化させています。


それが『募集広告+α』ともいえる戦略です。



2.税理士事務所の採用戦略はどのように変わってきているのか


ここ数年、20~40名程度の中規模税理士事務所でも、税理士試験後の採用では非常に苦戦が続いています。私の知り合いの中規模税理士事務所でも、募集をかけても応募が5名、採用に至ったのはゼロになりました。

・応募が集まらない。

・内定を出しても他にとられてしまう

・そもそも求人にアクセスすらしてもらえない


そんな状況が続き、相談も増えてきました。

ただ9月や10月になって、そのように相談されてもリカバリするのは難しく、結局はその年の繁忙期を少ない人数で回さなければいけなくなってしまいます。


これは採用のトレンドが「待ち」から「攻め」へと変化している状況についていけていないことが原因です。


・事務所側が”選ばれる理由”を示さないと動いてくれない

・SNS、口コミ、転職サイトで比較される


大手や余力のある中規模以上の税理士事務所がこうした状況に対応するようになった結果、対策のできていない事務所はさらに厳しい状況に追い込まれたのです。

これまでは、いかに「求職者にアピールする求人広告を作れるか」がポイントでしたが、その前段階、いかに「求職者にアピールできる事務所にすることができるか」が求められるようになっています。


これが『募集広告+α』でいうところのαにあたる部分です。


例:αに含まれる主な要素

  • 労務環境の整備

  • 勉強との両立制度

  • SNS発信

  • 教育体制

  • オンボーディング

  • キャリアパスの明確化


このαには上記のような様々な要素が含まれます。

これは6~7月になって、そろそろ今年の採用をどうしようかな、と考えている事務所では対応することはできません。それ以前から対策を立て、ステップを踏みながら時間をかけ実行していかなければならないものです。



3.採用は「仕組み化」しないと勝てない時代に


こうした変化を例えるなら、”短距離走から長距離走”へと競技種目自体が変化したようなものです。

以前の夏の採用というのは、6~7月に求人媒体の営業と打ち合わせをして、8月の税理士試験に合わせて求人広告を出稿。応募に合わせて面接をし、9月には新人を迎える。2~3か月が勝負でした。

しかし現在は、通年で業務改善に取り組み、求人票、面接、オンボーディングを毎年のように改善する必要があります。SNSでの発信にも定期的に取り組まなければならず、合わせて職場環境の整備も進めていかなければなりません。


これまではベテランスタッフや所長が採用担当として、メインの担当業務や事務所経営の合間で行っていた採用活動では対応しきれなくなりつつあります。

そのためある程度の規模の事務所では、採用担当者の役割を明確にしつつあります。ただ、採用担当者を定めても、数名規模の事務所だと年間の採用人数は1名~数名規模。採用だけにかかりきりになってしまうと、その分のコストを賄うことができません。

そこで月のうち半分は採用関連の活動を行い、残りの半分はこれまでのように担当者として税務に取り組む。いわば0.5人戦略をとることをお勧めしています。



4.採用は個人戦から”組織戦”へ──勝つ事務所の条件が変わった


これまで中小の税理士事務所の採用は、いわば所長の”個人戦”でした。

所長の人柄で惹きつけ、面接も所長の経験と勘、求人票は毎年ほとんど修正せず、教育も「できる人がなんとなく教える」。つまり属人化していたのです。

それでも応募が来ていたので成立していました。

しかし今は違います。


科目合格者は複数の事務所から内定が出るのは当たり前。

比較されるポイントは、もはや「所長の魅力」だけではありません。


求職者が見ているのは、

・勉強との両立制度

・教育制度の明確さ

・キャリアパスの透明性

・面接フローのスピード

・受け入れ態勢の整備

・事務所の雰囲気(口コミ・SNS)


これらは個人の頑張りではなく、組織として整備されているかどうかの勝負になってきます。


属人的な採用を行っていると、

所長が忙しいと採用が止まり、面接の質はバラバラ。採用のPDCAが回らないので、「良い人が来ない」のではなく「良い人に選ばれない」事務所になっているのです。

これを、


・求人票を採用市場のニーズに合わせて毎年改善される

・採用フローが標準化され選考がスピーディー

・教育担当が決まっていてノウハウが蓄積される

・初月の業務メニューがテンプレ化しているので新人が安心して業務に取り組める

・年間採用計画があるので、タイミングを逃さない

・採用担当者が明確な役割を持っているので、責任をもって取り組める

・所長が”最後の意思決定”に集中できる


これらができるようになると、採用が「運任せ」から「再現性のある仕組み」に変わります



5.まずは半年かけて組織戦への移行を


大手税理士事務所では、昨年の夏の採用が終わってすぐに翌年の採用に向け動き出しています。現在は3月なので、約半年遅れているといってよいでしょう。

しかしまだ”致命的な遅れ”ではありません。


TaxOffic-Supportでは、6か月で採用力の上がるロードマップを提供しています。

属人的な採用から組織戦への移行は、半年程度で実現することが可能です。


1~2か月:事務所の魅力の言語化・求人票の改善

3~4か月:面接フローの標準化・スピード改善

5~6か月:受け入れ態勢の整備・オンボーディング構築


この順番で改善していくことをお勧めしています。

必要なのは「正しい順番」と「毎月の小さな積み重ね」です

同時並行で、HPの改善やSNS戦略なども進めていけば、半年後には「採用が回る事務所」に変わることができます。



結論:夏前スタートでは、もう”勝てない”


税理士試験後の採用は、もはや「求人広告を出せば応募が来る」時代ではありません。採用市場は完全に“攻めの時代”へと移行し、採用は所長の個人戦ではなく、事務所全体で取り組む“組織戦” へと変わりました。


大手や中規模事務所が早期から準備を進め、所内環境の整備やSNS発信、オンボーディングまで含めた“募集広告+α”の戦略を取るようになった今、対策の遅れはそのまま採用の失敗につながります。


しかし、今からでも間に合います。採用は正しい順番で整えていけば、半年で「採用が回る事務所」へと変わることができるからです。

的確にステップを踏めば、属人的な採用から脱却し、再現性のある採用力を手に入れられます。

今年の夏の採用を成功させたいなら、準備を始めるのは「今」です。採用は、準備した事務所から勝っていく時代になりました。

ただ、

  • どこから手をつければいいかわからない

  • 自分の事務所に合った採用戦略を知りたい

  • 半年で採用力を上げるロードマップを具体的に見たい

  • 今年こそ科目合格者を採用したい


そんな思いがあるなら、一度ご相談ください。

TaxOffice-Supportでは、事務所の状況に合わせた“採用の仕組み化”を無料で診断しています。現状の課題を整理し、どのステップから着手すべきか、最短ルートでお伝えします。

今年の採用を成功させるための第一歩として、気軽にご利用ください。




※現在『採用力アップ、6か月パッケージプラン』をお得に提供中です。

 期間限定のため、興味のある方はお急ぎください。



関連記事



コメント


bottom of page