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マンダラチャートで目標を整理

マンダラチャートを書こうとしているところの写真
マンダラチャートはスタッフのキャリアパスの設定にも、事務所の目標設定にも、様々な形で活用できます

目標から何を今すべきか、を確認できるのがマンダラチャート


せっかく入社したスタッフに成長してほしい、そして事務所を成長させていきたい。多くの税理士事務所の所長はそう考えても、それを実現するのはなかな難しいものです。特にスタッフの成長をどのように支援すればよいのか、というのは多くの所長の悩みです。


以前、少し話したコンサルタントの人に、税理士事務所でスタッフのキャリアパスについて相談したことがあります。そこで提示されたのがGRPIモデルによるキャリアップ計画を進めてみてはどうか、と提案されました。

GRPI(グリッピー)モデルはゴール(GOAL)から役割分担(ROLE)、業務手順(PROCESS)、人間関係(INTERACTION)をそれぞれ分析していくフレームワークです。

ただ、これは使用するスタッフも、そしてそれを管理する所長やマネージャーも、ある程度の知識を持っていなければ使いこなせません。そして理想の組織増を最初に定め、それに沿ってスタッフのキャリアアップ計画を立てていくため、スタッフのモチベーション管理などが重要になってきます。そのため小規模の税理士事務所では導入するのはなかなか難しいでしょう。

(中規模~大規模税理士時法人などでしたら非常に有効な手段です。詳細を知りたい方はこちらからお問い合わせください)


他に小~中規模税理士事務所で活用しやすいフレームワークはないのかと探したところ、非常に使いやすかったのがマンダラチャトーです。ちょっとしたやり方を覚えれば使いやすく、いくつか紹介した事務所で導入したところ、非常に好評だったため、ここでも紹介していきたいと思います。


まず、マンダラチャートについて説明します。これは大リーグで活躍している大谷選手がプロになる前に作ったといわれ、一躍有名になりました。近年ではビジネスでも応用されるようになり、企業でも社員の育成などに取り入れるところも増えています。

このマンダラチャートは9×9の81マスで構成され、中心に最終的な目標を定め、それを達成するために必要な中目標を周囲の8つのマスに書き込みます。さらにこの8つのマスがそれぞれ周囲のマスの目標となり、それを達成するための具体的な行動を記入していきます。

この周囲72マスを埋めていく作業を通じて、具体的な行動のアイデアを導き出す、という仕組みです。


マンダラチャートの図
中央に最終的な目標を書き込み、周囲にそれを達成するための中目標を、それがさらに周囲のマスの中央になり、それを達成するための具体的な行動に落とし込んでいきます


実際にマンダラチャートを作ってみよう


マンダラチャートを作るには、まずは9×9、合計81のマスの表を作成します。

これはエクセルなどで作成してもいいですし、実際に手書きでも構いません、ネット上には無料でテンプレートが転がっているので、面倒な場合はそれを利用しても良いでしょう。

作り方はいたって単純です。


1.一番真ん中のマスに最終的な「目標」を記入します。

2.次にその周囲8つに、その「目標」を達成するために「必要な要素」、を記入します。

3.その「必要な要素」を周囲のそれぞれが3×3で構成されたマスの中央に転記します。

4.残りのマスに、それぞれの中央に書かれた「必要な要素」を実現するために必要な行動を記入し、すべて埋めていきます。


こうして作業を進めることで、目標達成に必要な具体的な行動を72個見つけることができる、という仕組みです。


例えば、ある税理士事務所の新人スタッフが、スキルアップを目指してマンダラチャートを作るとなると、以下のようになりました。

中央のマスに、みんなから頼られる税務のスペシャリストになる、という目標を設定します。


税理士資格の取得

担当件数30件以上を無理なくこなす

相続・資産税のキャリアを積む

豊富な業界知識

皆から頼られる税務のスペシャリスト

お客様への提案力

ITツールを使いこなせる

関連法の知識も豊富

柔軟な対応ができるコミュニケーション力

そして、みんなから頼られる税務のスペシャリストとは、どういう人材か、という要素を抜き出し、周囲に配置します。これが「必要な要素」となります。


そして、次にその必要な要素を達成するための具体的な行動をさらに周辺のマスに書いていきます。

業界動向を知るために業界新聞などを読む

業界経験豊富なお客様から話を聞く

ネットなどで常に最新動向をチェックする

その業界のお客様を担当した経験が豊富な先輩スタッフから学ぶ

豊富な業界知識

業界の集まりなどに参加して、情報を収集する

経済指標などをチェックできるようになる

専門用語などに精通する

その業界の他企業との関係性を調べる

ここでは目標の左にある「豊富な業界知識」を実現するために必要な具体的な行動を埋めてみました。これと同じように、税理士資格を取得するために必要な具体的行動や、担当件数30件を無理なくこなすにはどうすればいいか、などをそれぞれのマスに埋めていきます。


目標から必要な要素を見つけ、その要素を実現するためにどんな行動が必要か、というように段階的に志向を進めることで、今自分は何をすべきか、というところまで落とし込むことができるのです。



事務所の運営にも応用できる


このようにスタッフ一人ひとりがマンダラチャートを作ることで、成長に必要なのは何か、を自覚し、取り組むことで成長を促すことができます。そのため教育・研修プログラムに取り入れると非常に効果的な手法です。ただ、マンダラチャートはそれだけが効果的な使い方ではありません。実は事務所の経営などにも活用することができるのです。


事務所の経営に活用するには、目標設定などを変えるだけです。

例えば、最終的な目標として「全国の大都市に多店舗展開できる税理士法人」などを設定します。

では、それを実現するためには何が必要か、を「必要な要素」として考えていきます。税理士法人化、スタッフ数〇〇名以上、売り上げ〇〇億円、マネージャー〇名、などでしょうか。そのうえで、売り上げ〇〇億円を達成するためにはどのような行動が必要か、を考えていきます。集客はどうするのか、競合他社との差別化はどうするのか・・・、などを具体的な行動に落とし込んでいくのです。


このように項目を変えることで、様々な活用が可能です。実際に企業では、新規事業の立ち上げや課題解決、目標管理などにも活用されています。そうした点からも、非常に柔軟性のあるツールといえるでしょう。税理士事務所でも、スタッフの教育や研修、組織作り、などで利用すればかなり役立てることができるのではないでしょうか。

事務所の方針や目標を立て、運営している事務所も多いです。しかしその目標を達成するために、具体的にどう行動していくか。それをスタッフと共有できていない、ということも良くあります。そうした時などにも、このマンダラチャートを使って、具体的な行動に落とし込み、それをスタッフと共有することで同じ価値観を持って行動できる「組織」となっていくことができます。


このようにマンダラチャートを使ってみたいけど、いきなり自分たちでやるのは不安だ。もっと詳しくやり方などを教えて欲しい。そのような要望がございましたら、こちらよりお気軽にご連絡ください。



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