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導入コストほぼゼロで採用力アップ|税理士事務所の面接標準化ガイド

標準化された面接をイメージするイラスト
採用面接の標準化は比較的簡単に導入できる一方、効果はかなり高いです

先日から、『期間限定採用力アップ6か月パッケージプラン』をスタートさせましたが、おかげさまで少しずつ問い合わせや質問が寄せられています。それだけ税理士事務所にとって、税理士試験後の採用は勝負のポイントだと感じている所長が多いのでしょう。


そうした質問の中で「面接の標準化ってどんなことをするの?」というものがありました。

この面接の標準化は、あまりなじみのない言葉かもしれませんが、導入のコストはほとんどかからず、しかもさまざまな効果が期待できるものです。

ただ、採用系のコンサルタントがあまり重視しておらず、ノウハウを持っている人が少ないのも事実です。

そして、税理士試験後の採用は、事務所にとって「勝てるかどうか」が決まる短期決戦です。そのため面接が属人化している事務所ほど、優秀な人材を他事務所にとられてしまいます。


そこで今回は、この『面接の標準化』についてまとめてみたいと思います。



1.面接の標準化とその効果


まず、採用面接の標準化とはどのようなものか、を見ていきましょう。

これは、すべての候補者に対して公平かつ一貫性の評価を行うため、面接の質問内容や評価基準・進行方法などを統一する取り組みです。多くの企業では、当たり前のように取り入れられているものですが、税理士事務所だとこうした考え自体、根付いていないところがほとんどです。多くの事務所で面接は、所長が行い、その基準が属人化してしまっているのではないでしょうか。


こうした標準化は、一見面倒に思えます。しかし導入の手間はそこまでかからないにもかかわらず、効果はかなり高く、多くの事務所で検討していただきたいものの一つです。


では、面接の標準化とは具体的にどのように行えばよいのでしょうか。

  • 質問リストの事前共有(例:「志望動機」「過去の課題解決経験」など)

  • 評価シートの活用(例:5段階評価+コメント欄)

  • 面接官トレーニングの実施(例:評価基準の理解、質問の深掘り方法)


何かシステムを導入したりするわけではないので、コストはほとんどかかりません。

しかし標準化することで、以下のような効果を期待できます。


  • 面接官によるバラつきが減る

  • 職務要件に基づき再現性のある採用ができる

  • 面接官の育成が容易になる

  • 候補者体験が向上する

  • 採用の振り返りができる

  • 選考スピードが向上する


これらはいずれも、採用力に直結する要素です。

導入コストが低く、効果が高いのがこの面接の標準化なのです。


では具体的に、導入のメリットについて見ていきましょう。



2.面接官によるバラつきを減らす


●面接の標準化は、候補者の評価を”運”にしないための最も効果的な方法です


面接で重要なのが、良い人材を採り逃さないこと。

多くの人が「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、実はこれが難しいのです。面接では主観が入りやすく、人によって好き・嫌いが無意識に入り、能力を見極める障害になってしまうこともあります。

また、ある程度の規模になってくると、所長だけでなくスタッフが面接を担当することもあります。面接官ごとに質問内容・評価基準・重視するポイントが違うと、候補者の評価が「運」になってしまいます。


標準化は主観を薄め、評価の一貫性を生み、採用の質を安定させます。



3.職務要件に基づく”再現性のある採用”ができる


●面接の標準化で、似たような資質を持つ人材獲得を目指せます


どの候補者にも同じ基準で質問・評価することで、「この役割で成果を出す人はどんな特徴を持っているか」というノウハウを蓄積することができます。

例えば、お客様の窓口となる担当者と、所内で会計データを入力するアシスタントスタッフでは、求められる能力が異なります。その中で活躍している人は、面接でどんな答えをしていたか、を見返すことで同じような人材を採用しやすくなるのです。


これは組織として”勝てる採用パターン”を作ることができる、のです。



4.面接官の育成が容易になる


●面接の標準化で、採用にスタッフが参加しやすくなります


ある程度の規模になってくると、スタッフが面接に参加することも重要になってきます。

所長だけでなく、スタッフが参加することで、帰属意識が高まり、スタッフ自身が事務所の将来を考え、能動的に動くようになります。ただ、スタッフが面接をする、というのは多くのハードルがあります。


面接はする側にも相応のスキルや能力が求められるからです。

実際、私も採用をサポートする関係上、面接官側として多くの経験を積みましたが、標準化されていない面接は大変です。どんな質問をすればいいのか、どんな言葉を引き出せばよい良い人材獲得につながるのか、手探りで進めなければいけません。


標準化された質問セット・評価シートがあれば、面接の経験が少ないスタッフでも一定の質で面接ができるようになります。その結果、組織全体の採用力を底上げすることができるのです。



5.候補者体験(CX)が向上する


●採用の標準化で、候補者からの評価が上がりやすくなります


近年、求職者は互いにSNSでつながっています。

SNSで「あそこの事務所の面接でこんなことを聞かれた」という情報もよく見かけますね。

その結果、面接官によって質問がバラバラだと、候補者は不信感を抱いてしまいます。

また、中には場を和ませようと、ハラスメントに近い冗談を言ってしまったり、圧迫面接のようなことをやってしまう面接官もいます。こういったマイナスの情報はあっという間に広がってしまいます。


逆に、標準化され一貫したプロセスを持つ事務所は「この事務所はしっかりしている」という印象につながります。同時に、標準化によって選考がスムーズに進むため、候補者は「レスポンスが早く、誠実な事務所」と感じます。

選考の停滞が減ることで、候補者の不安やストレスも軽減され、辞退率の低下にもつながります。また、プラスの評価が広がれば、次の採用でも有利に働きます。



6.採用の振り返りができる


●採用の標準化で、選考のPDCAを回すことができるようになります


標準化されていない事務所で採用のミスマッチが起きると、問題が深刻化することがあります。


私が知っているある事務所では、問題のある人を採用してしまったことがあります。

所内はもちろん、お客様先でもトラブルを起こし、本人は入社して3か月の試用期間で退職したのですが、そこから問題が尾を引きました。所内から「なんであんな人を採用したんだ」という声が上がってしまったのです。

面接を担当したのは事務所の中堅スタッフ。将来のマネージャー候補として育てようと、採用を任せたところこんなトラブルに巻き込まれてしまったのです。その中堅スタッフは責任を感じ、自ら退職を願い出てしまいました。何とか引き留めには成功したものの、他のスタッフとの間で溝が生まれ、能力が発揮しづらくなってしまったようでした。

このように、標準化していない面接は、採用ミスだけでなく組織の信頼関係まで壊してしまうことがあります。


面接が標準化されていないと「あの人は見る目がない」で片づけられてしまい、原因を探ることができません。なぜこの人を採用したのか、なぜミスマッチが起きたのか、分析することではじめて組織は成長できます。

標準化されていないと、そもそもデータがそろわず、改善サイクルを回すことすらできないのです。



7.選考スピードが向上する


●面接の標準化で、選考スピードが上がり、内定辞退率が減少します


実は面接の標準化で最も大きな効果が、この選考スピードの上昇かもしれません。

実際、標準化を導入した事務所からは「選考スピードが上がったからか、内定後の辞退率が大幅に下がっている」という声をいただいたこともあります。


近年、この選考スピードは採用に大きな影響を与える要素となっています。

事務所間の獲得競争が激しくなっており、少しでも優秀な人材は取り合いになります。複数の事務所を受けて複数から内定をもらうのは当たり前。そしてほとんどの人が、最初に内定をもらった段階でその後の就職活動を辞めてしまいます。

そのため他の事務所より選考が早ければ早い方が有利になります。


私がこうした税理士事務所の採用に携わるようになった2010年代前半は、応募から内定まで1か月くらいかかるところも珍しくありませんでした。それが今では、2週間以上かかるようなら人材を獲得するのはほとんど不可能、という状態になっています。


ではなぜ、面接の標準化が選考スピードの直結するのでしょうか。

その理由は、


1.質問が決まっているので、準備が早い

  • 面接官が毎回「何を聞こう…」と考える必要がなくなる

  • 面接の段取りが固定化され、開始から終了までの流れがスムーズになる


2. 評価基準が統一されているので、判断が早い

  • 面接後の「どう評価する?」の議論が短縮される

  • 評価シートがあることで、面接官同士のすり合わせも最小限で済む


3. 面接官の育成コストが下がり、誰でも一定レベルで面接できる

  • 新任面接官でも迷わず進行できるため、面接枠の確保が容易

  • 面接官不足によるスケジュール遅延が減る


4. 候補者ごとの比較がしやすく、意思決定が早い

  • 同じ質問・同じ評価軸なので、候補者の比較が“並べるだけ”で可能

  • 「この人どうだったっけ?」と録音やメモを見返す時間が減る


5. プロセス全体がテンプレ化され、運用が高速化する

  • 書類選考 → 面接 → 合否判断 の流れが“型”になる

  • 採用担当者のオペレーションが軽くなり、全体のリードタイムが短縮される



8.標準化=画一化ではない


面接の標準化というと、多くの人が誤解することが画一的な面接になるのではないか、ということです。

「誰もが同じ質問を淡々とする」だけなら、面接をする必要はありません。

標準化とは最低限の共通フレームを持つこと。


・最低限、これだけはチェックしておく

・この順番で聞いた方が効率的

・うちの事務所ではここを重視して採用したい


こうした思いを盛り込んで、質問シートやチェックリストを作成します。

その上で、深堀りや追加質問は面接官の裁量で自由に行うことができます。むしろフレームがあるからこそ、面接官はより”本質的な深堀り”に集中することができるのです。



まとめ:


面接の標準化は、導入コストがほとんどかからないにもかかわらず、採用の質・スピード・再現性・候補者体験のすべてを底上げする強力な仕組みです。属人化した面接を続けている限り、優秀な人材を“運”で逃してしまうリスクはなくなりません。

採用は、事務所の未来を左右する最重要の投資です。だからこそ、面接の標準化は「やるかどうか」ではなく「いつやるか」が問われる取り組みだと言えます。


もしこの記事を読んで、「うちの面接は属人化しているかもしれない」「質問リストや評価シートを作りたいけれど、どこから手をつければいいかわからない」と感じたら、一度ご相談ください。

事務所の規模や採用したい人材像に合わせて、質問リスト・評価シート・面接フローの設計まで、最適な形をご提案します。

もちろん、初回の相談は無料です。現状の課題整理だけでも、採用の成功率は大きく変わります。

採用の仕組みを整えることは、事務所の未来を守ることにつながります。

小さな一歩から、大きな成果が生まれます。

採用の“勝ち筋”を一緒に作っていきましょう。



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