8か月ぶりに悪化、2026年1月の景気動向調査
- 斉藤永幸
- 2月25日
- 読了時間: 3分

税理士事務所はお客様の決算や申告をするのが業務の中心ですが、情報提供もまた重要な業務の一つ。そうしたお客様にとって有益な情報の一つが景気の動向です。
景気の動向については様々なデータを各機関が公表していますが、その中でも信頼性のある帝国データバンクが2026年1月の『2026年1月の景気動向調査』を公表したので、その概要をまとめてみました。
2026年1月の動向 : 足踏み >
2026年1月の景気DI(景気動向指数)は 43.8(前月比▲0.6) と、8か月ぶりに悪化しました。年末商戦の反動減に加え、観光需要の落ち込み、さらに寒波・大雪による外出控えが重なり、国内景気は一時的に足踏みを余儀なくされています。
1. 景気悪化の主因
● 年末商戦の反動減
12月に盛り上がった消費が一巡し、1月は売上が落ち込む企業が多数。特に 小売・サービス での反動が顕著でした。
● 観光関連の失速
観光DIは 42.8(前月比▲2.0) と悪化。
大雪による交通・物流の停滞
中国からの訪日客減少
宿泊・飲食のキャンセル増
などが影響し、観光産業全体が冷え込みました。
● 寒波・大雪の影響
全国的な寒波により、
外出控え
物流停滞
店舗来客数の減少
が発生し、幅広い業種でマイナス要因に。
2. 業種別の動き
10業界中 7業界が悪化。特に個人消費関連が弱含みました。
業界 | 動向 | 背景 |
サービス | 悪化 | 飲食店の客単価減、観光の落ち込み |
小売 | 悪化 | 食品・日用品の買い控え、悪天候 |
運輸・倉庫 | 悪化 | 年末年始後の荷動き減、燃料費高止まり |
製造 | やや改善 | 機械・電機で受注増、半導体関連が堅調 |
情報サービス | 横ばい | AI投資・ソフト開発は底堅い |
特に 飲食店・宿泊業 の落ち込みが目立ち、個人消費の弱さが景況感を押し下げています。
3. 規模別:大企業は横ばい、中小企業は悪化
大企業:48.7(横這い)
→ 製造業の海外向け需要が下支え
中小企業:42.9(▲0.7)
小規模企業:42.0(▲0.8)
中小企業ほど、
仕入れ価格の高止まり
人手不足
消費の反動減
の影響を強く受けています。
4. 地域別:10地域中9地域が悪化
唯一改善したのは 北関東(43.1)。半導体装置向け受注増など、製造業がけん引しました。
一方で、
東北
近畿
北陸
などは寒波・大雪の影響が大きく、来店客数減や物流停滞が景況感を押し下げました。
5. 今後の見通し:横ばい基調だが不透明感は強い
企業の見通しは「横ばい」ながら、慎重姿勢が強まっています。
プラス材料
物価高対策や税制改正による可処分所得の改善
電気・ガス料金支援
投資減税・研究開発支援
AI・省力化投資の継続
マイナス材料
コスト増(物流費・人件費)
金利上昇懸念
国際情勢の不安定化
観光需要の弱さ
総じて、「下押し圧力と支援策が拮抗し、横ばい推移」 というのが現状の見立てです。
まとめ
2026年1月の日本経済は、年末商戦の反動や観光の落ち込み、寒波の影響が重なり、8か月ぶりに景気が悪化しました。
特に個人消費関連の業種で弱さが目立ち、中小企業ほど影響が大きい状況です。一方で、製造業やAI関連投資は底堅く、地域によっては半導体関連の回復も見られます。今後は、物価高対策や税制改正が下支えする一方、コスト増や国際情勢の不透明感がリスクとなり、景気は横ばい基調で推移する見通しです。
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