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税理士事務所のHPは小さく始めるのが正解

税理士事務所のHPが成長していくイメージのイラスト
HPは育てていくべき事務所の資産です


最近、何本か税理士事務所のHPについて記事を掲載しました。

※当該記事はこちらから


これらの記事に対して、読者の方からこんな声をいただきました。


「良いHPを作れればいいけど、そんなの作るのにいくらかかるの?」

「開業したばかりで、そこまで手が回らない…」


たしかに、開業直後の税理士が“完璧なHP”を用意するのは現実的ではありません。時間もお金も足りない。そもそも、どんなHPにすべきかの方向性すら固まっていない時期です。

では、どうすればいいのか?

その答えは、とてもシンプルです。


HPは「小さく始める」のが正解。


最初から立派なHPを作る必要はありません。むしろ、小さく作って公開し、実際の相談内容に合わせて育てていく方が、圧倒的に成功しやすいのです。


「この記事でわかること」

  • HPを“完璧に作らなくていい理由

  • 税理士事務所の最小構成

  • 小さくはじめたHPを、どうやって育てていくか



1.なぜ多くの開業したての税理士がHPづくりでつまづくのか


そもそもなぜ多くの税理士がHPづくりでつまずくのか。ここを理解しておくと、「小さく始める」という考え方がより理解できると思います。


多くの開業したての税理士は非常に多忙です。開業時は何はなくても売り上げを確保しなければならないため、顧客獲得が重要になってきます。必然的にHPは後回しになりがちです。

そして開業する年代の税理士の多くがデジタルネイティブで、生まれたときからWebを使うのは当たり前という環境で育っています。これまでの人生で多くの良質なHPを見てきているでしょう。その結果、「良いものを作らなければ公開できない」という思い込みが生まれてしまっています。


しかし、HPはそのようなものではありません。

HPは”育てる資産”であり、最初から完璧にする必要はないのです。


そこで「HPは小さく始めるのが最も成功しやすい」ということを考えていきたいと思います。



2.HPは小さく始めるべき5つ(+α)の理由


1. HPは“完成品”ではなく“育てる資産”だから

最初から完璧を目指すと、時間もコストもかかりすぎて動けなくなります。非常に見やすく、使いやすいHPも、徐々に改良を重ね、良くなっていったのです。税理士事務所でHPを作るなら、最初から完成品を目指すのではなく、むしろ最低限の導線だけ作って公開 → 改善 → 公開のサイクルを作ることこそが最速で成果につながります。


2. 税理士業界は「まず存在を知ってもらう」ことが最優先

初期段階でのHPの役割は「土台」です。HPを作ったからと言って、すぐに検索でHPを訪問したお客様から顧問契約をとれる、というものではないのです。名刺にURLを載せられる、この“最低限の土台”があるだけで、初期段階の信頼性が一段上がります。


3. 初期段階では「強み」も「ターゲット」も固まっていないことが多い

最初から大規模サイトを作ると、方向性がズレたときに修正が大変です。特にシステムなどを組み込んでしまうと、後から機能追加などをするときはかなり時間と労力が必要となります。小さく始めれば、実際の相談内容や顧客層に合わせて柔軟に育てられる


+α.費用を安くあげることで他に資金を回すことができる

税理士事務所を開業したばかりのころは、どれだけ資金に余裕を持てるかが重要です。ただでさえ事務所を借りたり、広告をうったり、スタッフの採用をしたりと、何かとお金がかかる時期。それに対し収入はまだまだ弱い状態です。そんな時だからこそ、安いは正義!小さく始めればそれだけ初期投資は少なく済みます。



3.最初のHPはどこまで小さくしていいのか


ではHPはどこまで小さくしてもいいのでしょうか?

まずは掲載する情報を厳選する必要があります。

構成要素として選択肢に挙げられるのが次のようなもの。


  • トップページ

  • 事務所案内

  • サービス案内

  • 料金の目安(ざっくりでOK)

  • お問い合わせ


トップページは必須として、これらをどう組み合わせていくか、です。最初は3ページくらいを目指して構成を練ってみましょう。トップページの中に事務所案内を含めたり、サービス内容と料金表を組み合わせ、問い合わせページは作らずメールアドレスを掲載して直接連絡をしてもらう、ということも可能です。


● 写真は3枚で十分

  • 代表者の顔

  • 事務所の外観 or 内観

  • 仕事風景(あれば)


最初のHPに入れるもの。それは代表者である所長の顔写真です。実際に税理士事務所のHPで最もみられるのは代表者の顔です。信頼商売なので、代表の写真があるのとないので問い合わせ率がまったく違います。

ポイント

  • スマホ自撮りはNG

  • スーツ or ジャケットで清潔感

  • 背景は白 or オフィスの壁

  • 笑顔より「柔らかい真顔」が信頼されやすい


スマホで撮影すると、どんなに高解像度のものであってもレンズが小さすぎて代表者の顔が陳腐に映ります。プロのカメラマンを呼んで、という必要はありませんができるだけ良いものを選ぶようにしましょう。

スーツやジャケットなどで清潔感をアピールするとともに、背景は白やオフィスの壁などにするのが無難です。また、笑顔でもいいのですが専門家として信用度を高めるには「やわらかい真顔」なども効果的ですね。


他にも事務所の外観やオフィスの風景なども入れたいところです。

税理士事務所は自宅で一人でも開業できます。もしオフィスなどを借りている際は、オフィスの風景を写真で入れ込むことができれば、ちゃんと準備して開業している信頼できる税理士なんだな、とお客様に認識してもらうことができます。


ポイント

  • 入口・看板・執務スペースのどれか1枚で十分

  • 散らかっている場合は、机の一部だけでもOK

  • 暗い写真は避ける(自然光が入る時間帯がベスト)


他にも、代表の仕事風景などもあればプラスの効果があります。

「仕事をしている感」があると、それだけでお客様の安心感が一段上がります。



● 文章は短くてOK

→ 長文は読まれない。後から育てればいい。


HPを小さく始めているのに、長大な文章を書いてしまえば逆効果です。そのため文章は短くてOK、というより短くないとマイナスが大きすぎます。トップページのキャッチコピーなどは、難しく考えずに、「誰に」「何を」提供する事務所かを一言で表現しましょう。

例えば、

  • 「中小企業と創業者を支える、身近な税理士事務所です」

  • 「記帳・申告・資金繰りまで、経営の不安を一緒に解決します」


また、事務所紹介には代表者の挨拶がつきものです。

これも長文ではなく、短くしましょう。

だいたい3~5行くらいあれば十分です。



  • どんな思いで開業したか

  • どんな人を支えたいか

  • どんなスタンスで仕事をするか


などを盛り込めれば十分です。

例えばこんな感じですね。


はじめまして。〇〇税理士事務所の〇〇です。

中小企業や個人事業主の「相談しやすい身近な専門家」でありたいと思い、開業しました。

数字だけでなく、経営の不安や悩みに寄り添いながら、丁寧にサポートいたします。



● サービス内容は箇条書きでも大丈夫

最初は細かく書く必要はありません。

ただ、お客様に対して「何ができるか」を明確にすることが大事です。

そのため箇条書きで並べればOKです。


例:

  • 月次顧問

  • 決算・申告

  • 記帳代行

  • 創業支援

  • 給与計算

  • 税務相談



● 料金の目安はざっくりで


そもそも最初の段階では、どのようなお客様がメインのターゲットになってくるのかもわかりません。個人事業主から中小企業、大企業、中堅企業、特定の業界まで、税理士事務所はお客様によって料金などが変わってきます。

そのため最初から細かい料金表を作る必要はありません。


例:

  • 月次顧問:2万円〜

  • 決算申告:10万円〜

  • 記帳代行:1万円〜

※「詳細はご相談ください」で十分



●お問い合わせ導線はシンプルに


これもまた、シンプルで短いもので十分です。

「ご相談・お問い合わせは、こちらのフォームよりお気軽にご連絡ください」などとするのが一般的ですね、



●最初は”信頼の3点セット”だけで十分


最初のHPはあくまで名刺代わり。

だからこそ、

・代表者の顔写真

・事務所の写真

・短い自己紹介+サービス案内


これだけあれば税理士事務所のHPとして”最低限の信頼”が成立します。



4.最初のHPでやってはいけないこと


最初から「すごいHP」を作ることはできません。

作ろうとしてはいけません。

これまでも多くの税理士事務所のHPづくりや運用を見てきましたが、最初から作り込みすぎてうまくいった例はほとんどありません。なぜならすごいHPを作るには、時間もお金もかかるからです。さらに最初のHPは更新により良くしていくことが前提なので、完璧を目指すほど公開は遅れ、その後の負担が増大します。

そこでここでは7つのやってしまいがちな失敗を紹介します。


❌完璧な文章を書くこと

→公開が遅れるだけでメリットがない

最初から完璧なHPのコピーを書くことは目指すだけ損です。むしろ最初の段階は、お客様に「親しみ」を持ってもらう方がプラスに働きます。完璧を目指すほど公開は遅れてしまいます。


❌料金表を細かく作り込むこと

→顧客層が固まっていない段階で作ると逆効果

けっこうやりがちなのが、業種別、売り上げ別、オプション別などの細かい料金表を作ってしまうことです。

しかし独立してしばらくは、実際の顧客層が固まっていない段階です。その段階で一定の範囲のお客様を想定した料金表は、そこに含まれない潜在的なお客様を排除してしまうことになります。

また、事務所の成長度合いに応じて料金は後から変わる可能性が高いのです、細かく書くほど他事務所と比較され、問い合わせが減ると考えた方が良いでしょう。

そのため最初は”目安”だけ示せれば十分なのです。


❌ブログやコラムを最初から大量に書くこと

→的外れになりやすく時間の無駄

これも独立したばかりの税理士がハマりがちな失敗です。優秀な人ほど、そして熱意をもって独立開業した人ほどやってしまいがちです。

顧客層が固まっていない段階だと、的外れな原稿になりがちです。中小企業を想定にした記事をたくさん書いてしまうと、個人事業主が顧客の中心となった時意味のないものになってしまうのです。

記事などは次の段階、HPを育てていくフェーズで作ればいいのです。最初は「存在を作る」ことが最優先。記事を大量に用意するまで待つくらいなら、一日でも早く公開することです。


❌凝ったデザイン、アニメーション

→ユーザーにとっては邪魔に映る

動くバナー、スライダー、複雑なレイアウト。

これらをHPの運用に慣れる前に使ってしまうと、効果がないどころか”邪魔”になってしまいがちです。

最初は名刺代わりのHPです。もし名刺がゴテゴテに装飾されていたらどう感じるでしょうか?こうしたものを使うにはノウハウが必要です。スマホでHPを見るときに崩れやすく、更新が難しくなり、表示速度が落ちます。

スタート段階は”シンプル is ベスト”なのです。


❌WordPress でいきなり作ること

→最初はノーコードで十分

実は多いんですよ、WordPressでHPを立ち上げたい、という相談。確かにWordPressはメリットの多いツールです。プラグインが豊富で拡張性が高く、SEO対策にも強い。ただ、最初のHPとして使うには不向きだと思います。

その理由としては、初期設定が重い、ということです。

私がお断りをしたその事務所は、別のシステム会社に30万円払ってWordPressでHPを作ったのですが、更新されずそのまま放置状態です。最初はノーコードで作れるHPで十分スタート可能なのです。


❌SNS連携、メルマガ、LINE公式アカウント

→余計な負荷を背負うだけ

若くして独立・開業する税理士ほど、SNS連携などをやってみたい、と思いがちです。しかし最初はやらなくても大丈夫です。というよりやらない方がいいです。せいぜい、普段使っているSNSで、自分のプロフィールに新しく作ったアドレスを張るくらいで十分ですね。

まずはHPを整えることが最優先であり、それ以外は余計な負荷となってしまうのです。

開業したばかりは、近い未来でも正確に予測するのが困難です。余計な負荷を背負っては運用が続かなくなってしまいがちで、それではデメリットにしかなりません。


❌”理念”や”こだわり”を長文で語ること

→後から深堀りページを

最初のHPは、見てすぐに伝わることこそが生命線。

HPを訪れたユーザは「どんな人か」「何をしてくれるのか」だけを知りたいのです。そこで延々と長文を読まされては迷惑に感じる人も多いのです。

ある程度のお客様を獲得し、次の段階で深堀りページを作って、そこで思いを語ったほうがより効果的なのです。



5.HPを小さくはじめてどう育てていくか(成長ロードマップ)


HPは事務所の資産として育てていくもの。

だからこそどのように成長させていくかが重要です。

一つの目安として、自分でHPを作るなら5万円程度、外注するなら10~20万円程度の予算で始めるのが良いでしょう。そして半年から1年程度経ったのち、状況を見ながら追加で予算を組み、HPを充実させていくのです。

その後、徐々に調整・変更・修正を加え、あなたの事務所ならではのHPを目指していくことになります。


この成長をどうやって実行していくのか、ロードマップを作成したので紹介します。


STEP1:まず“最低限の信頼”を作って公開する

最初はこれだけでOK。

  • 顔写真

  • 事務所案内

  • サービス案内

  • 料金の目安

  • お問い合わせ導線

目的:存在を作る・名刺代わりにする・Googleに認識させる

ここは“スピード最優先”。文章も写真も完璧でなくていい。


STEP2:実際の問い合わせ内容からHPを調整する

公開後に必ず起きるのが、「想定していた相談内容と、実際に来る相談内容が違う」という現象。

ここでやることはシンプル。

● よく来る質問をサービスページに追記

→ 実際のニーズに合わせて内容を最適化

● 問い合わせが多い業務を前面に出す

→ トップページのキャッチコピーを調整

● 料金の目安を少しだけ具体化

→ 「◯万円〜」の“〜”部分を調整するだけでOK

目的:実際の顧客層に合わせてHPを“現実に寄せる”


STEP3:専門性が見えてきたら“特化ページ”を追加

半年〜1年運営すると、「うちは創業支援が多いな」「相続の相談が増えてきたな」といった傾向が見えてきます。

ここで初めて、専門ページを作る。

● 例

  • 創業支援ページ

  • 相続税申告ページ

  • 医療・建設業などの業種特化ページ

  • 補助金サポートページ

目的:強みを明確にし、検索にも強くなる


STEP4:記事・コラムでSEOを育てる

特化ページを作ったら、次は記事。

ただし、最初から大量に書く必要はない。月1本で十分育つ。

● 書くべき記事の例

  • よくある質問の解説

  • 相談事例(匿名加工)

  • 税務の基本知識

  • 創業者向けのチェックリスト

  • 相続の流れを図解で説明

目的:検索流入を増やし、専門性を伝える


STEP5:導線を整えて“問い合わせ率”を上げる

アクセスが増えてきたら、次は導線改善。

● やること

  • 各ページに「お問い合わせはこちら」を追加

  • 料金ページに“よくある質問”を追加

  • トップページに「選ばれる理由」を追加

  • 代表者のストーリーを少しだけ深掘り

目的:アクセス → 問い合わせ の流れを強化


STEP6:SNS・LINE・メルマガなど“外部導線”を追加(必要に応じて)

HPが育ってきたら、外部導線を追加すると相乗効果が出る。

ただし、最初からやる必要はない。

● 追加するならこの順番

  1. Googleビジネスプロフィール

  2. LINE公式アカウント

  3. X(旧Twitter)

  4. メルマガ(必要なら)

目的:HPの信頼性と接点を増やす



6.まとめ:まずははじめてみよう


HPは”早く出して、後から育てる”のがベターな選択といえるでしょう。だからこそ最初は小さくても良いのです。変に凝る必要はありません。基本に則った作り方で大丈夫なのです(いつまでもそれでは困りますが……)。

完璧を目指すほど公開が遅れ、チャンスを逃します。小さく始めれば方向性のズレを防ぎ、もしズレたとしても修正は容易です。HPは資産なので、育てるほど強くなるのです。


専門的な知識をお持ちの方であれば、自分でHPを作ることもできますし、今ですとノーコードで作れるツールも充実しています。まずは『顔写真・事務所案内・サービス案内』の3つだけでラフ案を作ってみてください。実際、この記事を掲載しているこのサイトも、Wixというノーコードで作成しています。

こうしたノーコードで作れるサイトは、費用が安いのがなによりのメリット。さらに更新なども楽なので、最初だけ外注で作ってその後は自分で管理、という選択肢もあります。TaxOffice-Supportでも、HPの制作などの相談に応じていますが、一番安いプランだと10万円+Wixの年間サービス料でHPをスタートできます(3ページですと15万円程度、5ページ構成だと20万円程度が目安となります)。その後HPを育てていく過程もしっかり伴走支援することもできますので、興味のある方は無料相談よりお問い合わせください。




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