税理士事務所のパンフレットは無駄?使われない理由と“使えるパンフレット”の作り方
- 斉藤永幸
- 1月6日
- 読了時間: 7分

ある税理士事務所の所長から、こんな話を聞きました。
「パンフレット、作ったはいいけど誰も使ってないんだよね…」
また別の所長は、少し苦笑いしながらこう言いました。
「5人を超えたあたりで、うちも“ちゃんとした事務所”に見えるようにパンフレットを作ったんです。でも結局、誰も使わなくて…気づいたら棚の奥で眠っていました。」
実はこれ、特別な話ではありません。
私が訪問した多くの事務所でも、作ったパンフレットが棚に眠ったまま、面談でも使われず、職員すら存在を忘れているケースが少なくありません。
では、パンフレットは本当に“無駄”なのでしょうか。
Webサイトが当たり前になり、SNSや広告も手軽に使える時代。そんな中で「紙のパンフレット」にどれほどの意味があるのか、疑問に感じるのは当然です。
しかし、あえて言います。パンフレットは、正しく作れば非常に強力なツールになります。
この記事では、なぜ多くのパンフレットが“無駄”になってしまうのか、そしてどうすれば“使えるパンフレット”になるのかを解説していきます。
なぜパンフレットが無駄になるのか、税理士事務所で使われないパンフレットの特徴
多くの税理士事務所でやってしまいがちな失敗。それが「作ること」が目的化したパンフレットです。パンフレットを作った税理士事務所の所長に話を聞くと、個人の税理士事務所が少しずつ組織を大きくしていって、5名以上の中規模の事務所になった段階で思い切って作った、ということです。パンフレットはいわば事務所の「成長の証」なのです。
だからこそ初めてパンフレットを手にしたとき、達成感を感じた、という所長も少なくないでしょう。ただ、残念ながらこうしたパンフレットの多くは結局使われなくなってしまいます。
なぜなら、
誰に向けて書いているのか分からない
代表挨拶とサービス一覧だけで終わっている
他事務所と同じ内容で差別化がない
Webサイトとほぼ同じ情報を紙にしただけ
職員が説明ツールとして使えていない
面談で配られず、棚に積まれている
これらは使われないパンフレットに共通する特徴です。
パンフレットが無駄になる最大の理由は目的と設計が一致していないことです。
「誰に渡すのか」
「どんな場面で使うのか」
「何を伝えたいのか」
「どんな行動を促したいのか」
これらが曖昧なままパンフレットを制作しているので、よくある”使われない税理士事務所のパンフレット”が出来上がってしまいます。結果としてスタッフも使い方がわからず、面談でも活用されず、制作会社だけがおいしい思いをする、という状態になってしまうのです。
税理士事務所のパンフレットを無駄にしないための作り方
せっかくのパンフレット、無駄にしないためにはどうすれば良いのでしょうか?
それはパンフレットが本来果たすべき役割をしっかり認識し、その目的に合わせて作っていくことが重要です。
このパンフレットが果たすべき役割とはなんでしょうか?
【パンフレットの5つの役割】
① 初回面談の質を上げる
② 職員の説明を標準化
③ 料金・サービスの理解促進
④ 採用で働くイメージを伝える
⑤ 事務所の世界観を可視化
ざっと考えると、こういったところだと思います。
これを意識せずに作ったパンフレットは、実務上役に立たない=使われないパンフレットになってしまいます。この役割を果たすパンフレットを作るためには、しっかりとした段階を踏む必要があります。
①ターゲットを明確にする
お客様向けパンフレットにするのか、事務所のブランディングに使うのか、採用などでも使用するのか。利用するシーンを思い浮かべながらターゲットを決めていきます。
②ターゲットに合わせた構成を考える
パンフレットに載せるべき内容は、使い方によって変わってきます。まずはパンフレットの役割を再定義します。
初回面談の質を上げるための事前説明ツール
職員が説明しやすくなる“営業マニュアル”としてのパンフ
採用で“働くイメージ”を伝えるストーリーブック
料金・サービスの理解を促す“図解資料”
新規顧客開拓のための営業用として使うのか、すでにお客様となっている方に向けてサービスを説明するときに使うのか、採用シーンで求職者向けに使うのか、それぞれで構成が変わってきます。役割がしっかり決まっていれば、載せるべき情報もおのずと決まっていくのです。
同時に、パンフレットは図解・ビジュアルが重要になってきます。どんなビジュアルを利用するのか、なども一緒に決めていきましょう。
ポイントとなるのは、パンフレットは広告ではない、ということ。
どんなに良いパンフレットを作ったとしても、それだけで新規の顧客を獲得できるというものではありません。パンフレット=コミュニケーションツールであり、スタッフの説明を補うものなのです。
③スタッフが使いやすい”運用設計”を考える
パンフレットを作ったからといって「スタッフに使ってね」といって渡すだけだとあまり意味はありません。これをどのようにして活用していくか、をあらかじめ考えておく必要があります。
例えば、営業資料としてのパンフレットであれば、
初回面談の時に挨拶をしたらパンフレットを渡す
↓
パンフレットに沿って事務所の沿革を話し、信頼を獲得する
↓
取り扱い業務を説明し、パンフレットに載っている得意とする領域をアピールする
といったように、使うシーンを想定し、運用方法についても検討しておきましょう。
Web全盛の時代に“紙”が持つ意外な強み
実はパンフレットは、HPにはない強みがいくつもあります。
手元に残る
事務所の世界観を伝えやすい
料金表や図解は紙の方が理解されやすい
面談時に「渡す」という行為が信頼感を生む
こうした機能は、Webにはない紙ならではのものでしょう。
特に採用シーンでは意外な強さを発揮します。
まずは下のグラフを見てください。
【今の20~30代は、就職や転職の意思決定に”親の意見”が強く影響】
ここで注目したいのが、親と答えている人が24.4%と最多を締めていることです。さらに同じアンケートで「今後のキャリアについて考えるときに、相談したことがある人」という質問では、親(父親・母親)と回答した人が61.9%にもなります。
これは今の若い人の特徴であり、20~30代の若い世代ほど親の意見が重要だということがわかります。
つまり、新卒や未経験、若い求職者をターゲットにした採用では、求職者本人だけでなく親にもアピールできると非常に「強い」ことがわかります。
では親にアピールするにはどうすれば良いのでしょうか?
事務所は求職者を通して親にアピールすることになるので、どうしても間接的になります。その時に「HPを見て」というのではなく、パンフレットを見せながら「この事務所に就職しようと思うんだけどどうかな?」となれば信用度がまったく変わってきます。親の世代ではまだまだ紙の信用度はかなり高いのです。
紙のパンフレットは”無駄”ではありません。無駄にしているのはパンフレットではなく使い方です。目的と設計が合えば、紙は今でも強力なコミュニケーションツール。だからこそ事務所の価値を伝えるための”戦略的なパンフレット”にしていく必要があるのです。
多目的に使いたいのであれば、二つ折りのパンフレットで中にポケットなどを仕込み、そこに説明資料などを入れられるようにしたものなども作ることができます。また、用途別に数パターン用意することで使い分けをすることも可能です。サイズや紙質によって表現できるものも数多いのがパンフレットの利点。それを無視して、どこにでもあるようなパンフレットを作っておしまい、ではあまりにもったいないのです。
「うちのパンフレット、誰も使ってない…」そんな悩みを抱えている事務所は少なくありません。もっと良いパンフレットを作りたい、と感じたら、一度ご相談ください。あなたの事務所の状況に合わせて、最適なパンフレットの形を一緒に考えます。
まずは無料相談であなたの事務所にあったパンフレットについて一緒に考えていきましょう。
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