税理士の AI導入費用の負担を大幅減!補助金・助成金を徹底解説【2026年版】
- 斉藤永幸
- 1月4日
- 読了時間: 9分

AI 投資は税理士運営に必須
~人手不足・電子帳簿保存法・記帳代行の課題を一気に解決~
昨年より様々な企業で本格化したAI の活用。
その波は税理士事務所、会計事務所にも大きな影響を与えています。近年ではクラウドの導入など、IT・DX 対応に追われた税理士事務所ですが、特にこのAI の影響は非常に大きいですね。これまでクラウド会計を導入している事務所としていない事務所で差がついていましたが、AI は導入しているかどうかでそれ以上の大きな差となって表れると予想されています。
では、AI は税理士事務所のどのような課題を解決できるのでしょうか。
人手不足・採用難が慢性化
記帳代行の負荷増大
電子帳簿保存法・インボイス対応の複雑化
顧問先からの問い合わせ対応が増加
属人化した業務フローが改善しにくい
なぜこのような課題を解決できなかったのか。それはこれらの課題は、人を増やせば解決する、という時代ではなくなっているからです。それに対しAI は非常に効果的な解決手段になりえます。つまり、AI 導入は大規模な事務所が導入する”贅沢”ではなく、事務所運営に必須な投資となっているのです。
業務効率化✖品質向上✖顧客満足度UP
人手不足や記帳代行の負担増大に対しては、クラウド会計ソフトと連携し、領収書などの証憑をOCRで読み込んで記帳代行の自動化を進め、お客様からの問い合わせに対してはAI チャットボットで問い合わせ対応を効率化。複雑な書類の処理はAI で書類仕訳・分類を自動化し、お客様の経営に対しても分析レポートを自動生成。内部マニュアルをAI で整備し属人化を防ぎ、お客様とのコミュニケーションでもAI で半自動化することができます。AI を導入していない事務所はこれらを人の手で行わなければなりません。人手不足の中、これをスタッフの手で行うことこそ”贅沢”と呼ばれる時代がすぐそこに来ているのです。
AI の導入は単なる”便利”ではなく、具体的な課題解決に活用することができるのです。
ネックとなるのは導入費用
一口にAI 導入といっても、どこまでAI で出来るようにするのか、によって費用は大きく異なっています。例えばAI をちょっと使える、というだけなら費用は非常に安く上がります。法人向けのChatGPT を使いたい、というだけなら月額の費用は3000円~6000円、導入のための初期費用もほとんどかかりません。また、プランによって細分化されているものもあり、個人~小規模の税理士事務所ならそれで十分、という人も多いでしょう。
項目 | 費用感(目安) | 備考 |
初期費用 | 0〜50万円 | 設定代行、利用ルール策定のみ |
運用コスト | 5万〜20万円/月 | サブスクリプション利用料が主 |
(参考資料:Newton『ChatGPT会社導入の料金相場は?』より抜粋)
ただしこれには注意が必要です。
私にもよく、安い初期費用でAI を使いたい、という相談があるのですが、正直お勧めできません。なぜなら安いのには安いなりに理由があるからです。
その理由を簡単に説明すると、
・無料や低価格ツールはセキュリティ要件を満たさないことがある
・ハルシネーション(誤回答)を前提に運用しないと危険
・所内のAI リテラシーが低いと逆にコスト増になる
・安いツールはサポートが弱く結局使われなくなる
・安く導入しても業務フローが変わらなければ効果が出ない
特に注意したいのは、チェックにかかるコストです。
例えば安価なAI-OCRを導入すれば、仕訳入力の負担を軽減することができます。ただ、非常に精度が低く、正確性の求められる税理士事務所でまともに運用しようとすれば一つひとつチェックをしなければいけません。それでは仕訳入力のスタッフをAI に置き換えることはできず、単純にAI の運用にかかる費用だけが増えた、という結果になりかねないのです。
信頼性の低さはそのまま事務所のリスクに直結します。それをいちいち確認しなければいけないのだとしたら、AI は何のために導入したんだ?となってしまい結局は「手作業でやったほうが早い」となってしまうのです。
そのため格安ともいえるAI は、小規模な税理士事務所向けではなく、実はしっかり人的コストをかけることができる中~大規模税理士事務所向けということなのです。
では、小~中規模の税理士事務所はどれくらいの予算規模でAI 導入を検討すべきなのでしょうか?
まず、所内データとの連携用API開発、もしくはセキュリティ要件を満たす専用クラウド環境の構築が必要となります。またカスタマイズとしてプロンプトは必須となりますので、その費用もかかります。AI 導入の目的によっても異なってきます。全面的なAI 導入であれば、350万円~600万円くらいがコストパフォーマンス的に一番良いのではないでしょうか。
「そんな金額、小規模な税理士事務所でかけることはできない」
ほとんどの方はそう思われるでしょう。正直、私自身も「高い」と思います。しかしAI の導入で考えなければならないのはトータルのコストではなく、実際に負担する金額です。AI の導入は補助金・助成金の活用が前提として考えていく必要があるのです。
では、AI 導入のために活用できる補助金・助成金はどのようなものがあるのでしょうか?
活用できる補助金・助成金(2026年版)
政府も企業などのAI 活用を強力に推進しており、使える補助金・助成金は数多いです。国だけでなく、地方自治体の行っているものもありますが、ここでは代表的なものだけをピックアップして紹介します。
● デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)/中小企業庁の公募要項より
補助上限:最大450万円
補助率:1/2〜4/5
対象:AI-OCR、AIチャットボット、会計DXツール、クラウド利用料など
活用例:記帳代行の自動化、電子帳簿保存法対応、顧問先対応の効率化
→ 税理士事務所が最も使いやすい補助金
● 小規模事業者持続化補助金/全国商工会連合会の公募要項より
補助上限:50〜250万円
一般型の通常枠50万円、インボイス特例で+50万円の上乗せ可能
また「賃金引上げ特例」など別の大枠もあり、賃上げ要件を満たせば最大200万円+インボイス特例50万円=最大250万円になるケースがある
補助率:2/3
対象:業務効率化・販路開拓
活用例:AIチャットボット導入、AIを使ったHP改善、顧客管理の効率化
→ 小規模事務所に最適
● 中小企業省力化投資補助金/中小企業基盤整備機構の公募要項より
補助上限:最大8,000万円
補助上限は重量イン規模に応じて段階的、賃上げ等の特例適用で最大1億円
対象:AIカメラ、AIロボット、無人化設備など
活用例:書類仕分けAI、AI受付システム、業務フロー自動化
→ “省人化”テーマがある事務所に有効
● 新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金)/中小企業基盤整備機構の公募要項より
補助上限:750万〜7,000万円
20人以下:2500万円(通常)/3000万円(賃上げ等の特例適用)
21人~50人:4000万円(通常)/5000万円(特例適用)
補助率:1/2
活用例:AI経営分析サービスの立ち上げ、AIを使った新パッケージ開発、自社データを活用したAIサービス
→ 新規事業を作る場合に有効
こうした補助金・助成金を活用することで、初期費用を大幅に圧縮することができます。また投資回収期間が短縮され、経済産業省のDX推進ガイドラインではAI による収益などの向上も見込めるため、かなり早い段階で利益を実感していただけます。
例えば、500万円の費用をかけてAI を導入したとします。『デジタル化・AI導入補助金』で4/5の補助金を受けることができれば、実質的な負担は125万円です。
このレベルのAI では様々な機能がありますがAI-OCRの機能だけ見ても、人員コストの圧縮効果はかなり高いといえます。格安のAI だと精度は7~8割と言われていますので、チェックのための人員はそこまで少なくすることはできませんが、このレベルで導入した場合は4人で行っていた仕訳を1人のチェック係がいれば十分に対応できるようになります。1人当たり20万円の人件費が3人分なので1月あたり60万円のコストを削減。2か月ちょっとで導入コストを上回る削減効果を上げることができるのです。
【TaxOffice-Support試算:投資対効果シミュレーション】
導入費用: 500万円
補助金活用: ▲375万円(補助率4/5の場合)
実質負担: 125万円
削減効果: 月60万円削減 → 約2ヶ月で回収完了
AI の導入による効果は、上記に挙げたように単なるコスト削減効果だけでなく、ブランディング向上による集客力や採用力を引き上げたり、MASなどと組み合わせて新サービスを生み出し利益率を高めたり、属人化を防ぎミスを防止してリスクを引き下げる効果もあるため、かなり早い段階で効果を実感していただけるでしょう。
ただ、補助金は種類が多く、事務所の規模や目的によって最適なものは大きく変わります。重要なのはしっかりと段階を踏んで補助金を検討し、導入することができるか、です。
AI 導入をしっかり活かすには
TaxOffice-Supportでは、AI を導入する事務所様には、以下の流れで検討・申請サポート・導入・運用サポートまで一連のサービスを提供しています。
現状ヒアリング
課題整理
AI導入プラン策定
補助金の選定
申請書作成
採択後の導入・運用サポート
これらのステップは、単にAIを導入するための手順ではなく、“導入後に確実に成果を出すために必要なプロセス”です。現状の課題と業務フローを正しく把握しないままAIを入れても、期待した効果は得られません。
また、補助金を活用してAI を導入する場合、事務所の課題整理や導入計画の明確化が不可欠です。これらのステップは採択率を高めるためにも、導入後の効果を最大化するためにも欠かせません。
AI導入で最も多い失敗が「入れたけれど使われない」「業務が変わらない」というもの。事務所ごとの課題に合わせて設計しなければ、AI は本来の力を発揮できないのです。
AI は単純にソフトを買ってきて、インストールすれば終わり、というものではありません。
事務所にとっても高い買い物であり、補助金・助成金という税金を使う以上、しっかりと効果のあるものを導入しなければなりません。
だからこそTaxOffice-Supportでは、安いけど使い勝手の悪いAI ではなく、事務所ごとにカスタマイズを行い、しっかりと補助金・助成金を使って事務所の負担を軽減しつつ効果の出るAI の導入をお勧めしているのです。
AI導入は”ツールの追加”ではなく”業務改革”です。単に業務が効率化・省力化されるだけでなく、そこから生産性をいかに上げていくか、が重要。だからこそ一つずつステップを踏むことではじめて<AIが事務所の戦力として機能する>そんな未来を形作ることができるのです。
また、先ほど挙げた補助金も、事務所の規模や目的によってどれを使うべきか、などの選択肢があります。補助金を活用した最適なAI導入プランを知りたい方は、まず現状の整理から一緒に進めていきましょう。
小規模事務所でも無理なく導入できる方法を知りたい方は、まずは無料相談からご相談ください。
関連記事



コメント